少し前(2025年4月2日)になりますが、Oracle LiveLabsのワークショップのインストラクションでインブラウザ翻訳ができるようになりました。
簡単なOracle APEXのワークショップを翻訳した手順に従って実施してみます。Converting your Spreadsheet into a Cloud App using Oracle APEXを取り上げます。
このインストラクションはSandboxで実行できます。せっかくなのでSandboxも取得してみます。
画面右上のStartをクリックし、Run on LiveLabs Sandboxを選択します。Sandboxを作成するにはOracle Accountでサインインする必要があります。
タイムゾーンを設定し、Start Workshop Nowをオンにします。Submit Reservationをクリックし、Sandboxをリクエストします。
作成されたSandboxは左上のアカウント・メニューのMy Reservationsから参照できます。
Launch Workshopをクリックします。
ワークショップの手順のページが開きます。左上にSandboxへのログイン情報を参照するリンクView Login Infoがあります。これをクリックします。
Sandboxへのサインインに使用するUsernameとPasswordを控えておきます。また、ワークショップで使用するAutonomous Databaseは、ここに記載されているCompartmentに作成するため、このCompartmentも控えておきます。ここで表示されているパスワードは初回のサイン・イン後に変更を求められます。
Launch OCIをクリックし、Oracle Cloudのコンソールへサインインします。
Oracle Cloudのコンソールへのサインインの画面が開きます。テナンシなどは変更不要なので、次へ進みます。
Sandbox作成時に与えられたユーザー名、パスワードを入力し、サイン・インをクリックします。
初期パスワードの変更を求められます。
新規パスワードを設定し、
パスワードのリセットをクリックします。なぜかパスワードのリセットするページが表示されず、真っ白なページのままだったのでブラウザのURLの入力フィールドにカーソルを当て、Enterを入力しました。
以上でSandboxの環境にサインインできます。
APEXのワークショップではOCIのコンソールはほぼ使用しませんが、言語とタイムゾーンだけは日本に合わせます。
左上のユーザーのメニューを開き、Languageの選択を開きます。
Select a languageで
日本語を選択し、
Saveします。
タイムゾーンを設定するために、プロファイルのユーザー名またはユーザー設定を開きます。
マイ・プロファイルの編集をクリックします。
ユーザー・プリファレンスのタイム・ゾーンを東京を設定し、マイ・プロファイルを更新します。
以上で最低限のプロファイルの設定は完了です。
ワークショップで使用するAutonomous Databaseを作成します。
メニューからAutonomous Databaseを開きます。
Autonomous Databaseの作成をクリックします。
Autonomous Database Serverlessの作成画面が開きます。
表示名やデータベース名の設定は任意です。Sandboxとして与えられたコンパートメントを設定して、ワークロード・タイプにトランザクション処理、データベース・バージョンの選択で23aiを選びます。自動スケーリングの計算のチェックは外します。今回のワークショップであれば、ワークロード・タイプがAPEX、データベースは19cでも作業は同様に実施できるでしょう。
管理者資格証明のパスワードを設定し、作成をクリックします。
以上でAutonomous Databaseのプロビジョニングが開始し、数分待つと利用可能になります。
Autonomous Databaseの作成を確認した後、開発者サービスのAPEXインスタンスを開きます。
作成したAutonomous Databaseの3点メニューを開き、APEXの起動を実行します。
APEXの
管理サービスへのサインイン画面が開きます。Autonomous Database作成時に設定した管理者ユーザー
ADMINのパスワードを入力し、
管理にサインインをクリックします。
初回なのでAPEXのワークスペースがまだ作成されていません。ワークスペースの作成をクリックします。
スキーマも作成されていないので、新規のスキーマを選択します。
ワークスペースとワークスペースの管理者ユーザーを作成します。以下ではワークスペース名はWORKSHOP、ワークスペース・ユーザー名もWORKSHOPとしています。ワークスペースに紐づくスキーマとしてWKSP_WORKSHOPがデータベースに作成されます。データベース・ユーザーとしてWORKSHOPも作成されます。こちらはワークスペースの管理者ユーザーになります。
以上でワークスペースの作成をクリックします。
ワークスペースWORKSHOPが作成されます。画面上部に表示されているリンクをクリックして、ワークスペースのサインイン画面を開きます。
ワークスペース
WORKSHOPにユーザー
WORKSHOPでサインインします。ワークスペース作成時に設定したパスワードを入力します。
サインインをクリックします。
ワークスペースWORKSHOPにサインインできました。これから、APEXを使ったアプリケーション開発作業を始めることができます。
My ReservationsのLaunch Workshopを開くと、インストラクションと共にSandboxを利用できる残り時間が表示されます。
今までの作業はGet Startedに当たります。ワークショップはLab1より始めます。Lab 1のインストラクションを開き、ページ上で右クリックをしコンテキスト・メニューを表示します。
インブラウザ翻訳ができるようになったので、メニューに日本語に翻訳が含まれます。これを実行します。
ページが日本語に翻訳されます。Chrome、Microsoft Edge、Apple Safariで確認しましたが、どのブラウザもインブラウザ翻訳を実行できました。ブラウザ毎に翻訳に使用するエンジンは異なるため(ChromeはGoogle翻訳、EdgeはBing翻訳、AppleはAppleの翻訳)、翻訳の精度も異なります。
後は手順に従ってワークショップを進めます。
作業を進めていく上で気がついたことを列記します。
日本語に翻訳されたボタンすべてのタスクを展開は、展開するためにクリックを2回行う必要があります。
一回目のクリックで表示が
Expand All Tasksに代わります。
続くクリックで、タスクが展開されます。
スクリーンショットは英語のままなので、インストラクションの指示、スクリーンショット、実際の作業画面に違いがあります。
例えば以下の画面は翻訳されたインストラクションでは「新しいアプリの作成」となっています。スクリーンショットは「Create a New App」、実際の画面は「新規アプリケーションの作成」です。この違いは翻訳されたインストラクションのすべてで発生しますが、インストラクションでの翻訳された指示と、実際に操作する画面の記述はかなり近く、思ったよりもストレスを感じずに作業を進めることができました。
ページ名などに翻訳された名前を入力すべきかどうかは迷います。例えば翻訳されたインストラクションでは、ページ名に「ニューヨーク市高校検索」および「ニューヨーク市高校レポート」を設定するように指示されています。このページ名は後の作業では「NYC Highschool Search」、「NYC Highschool Report」として、英語のまま参照されています。
ページ・アイテム名のような翻訳されると明らかに問題があるものを除いて、翻訳されたインストラクションに従って日本語で入力する方が作業を進めやすいでしょう。
翻訳されたインストラクションでは、NYC Highschool Searchをクリックするように指示されています。
Google翻訳ではShow Chartが「グラフの表示」と訳されていました。実際の画面ではチャートの表示です。このような軽微な翻訳の違いは多々あります。
「縮小可能」、「最初は縮小」が「折りたたみ可能」、「最初は折りたたみ可能」と翻訳されていました。これも翻訳の違いです。
非表示列の選択では、インストラクションでは列名が翻訳され(ダブン、経度、緯度、などとなっている)ているため、かなり分かりにくいです。しかし、実際のアプリケーションも列名は英語のままなので、スクリーンショットから作業内容を確認できます。
計算(インストラクションでは「
コンピューティング」となっていました)の
列ラベルに「
応募者数と座席数の比率」を設定するよう指示されていますが、インストラクションでは後から「
Application to Seat Ratio」が列として追加されたと記述されています。同じ列を指しています。列ラベルに日本語を設定した方が、後の作業は進めやすかったです。
翻訳されたインストラクションでは、Boroughは自治区、値は価値、ファンクションは関数、向きはオリエンテーション、横は水平となっていました。少し翻訳の違いにストレスがあった箇所です。
ソート(インストラクションでは並び替え)も列名が翻訳されていることに気が付く必要がありました。
Lab 3、タスク3の6のインストラクションは以下のように翻訳されていて、ページ・アイテム名を推測するのに時間がかかりました。
ブレッドクラムがインストラクションでは「
パンくず」と翻訳されています。翻訳としては正しいのですが、知らないと何のことか分からないかもしれません。
全般にAPEXのリージョンが地域と訳されていることがあります。Lab 4はマップ・リージョンを扱っているため、地域が地図上の地域のことかと勘違いしそうになります。
Lab 4のタスク2の3でも列名が翻訳されています。このような場合はスクリーンショットを参照します。
Lab 4のタスク3の3で、
Tooltipがツールチップではなく
ツールヒントと訳されていました。微妙な翻訳の違いですが、ツールチップと気がつくまで少々時間がかかりました。これもスクリーンショットを確認するとTooltipだと分かります。
他でもそうなのですが、インストラクションに埋め込まれているコードについては翻訳の対象外になっているようです。そのため、変に翻訳されてエラーが発生するといったことは起こりません。
Lab 4のタスク3の8では、インストラクションでは行の割り当ての下(実際は行割当て)のこのレイヤーの値が赤と翻訳されています。SELECT文の列PIN_COLORの返す値なので、ここは翻訳せずにredと入力する必要があります。黄はyellow、緑はgreenです。
インストラクションに埋め込まれたコードは翻訳されませんが、それを参照している設定値が翻訳されていることがあり、注意が必要です。
LiveLabsのワークショップのインストラクションを、インブラウザ翻訳で翻訳した手順に沿って作業を行った際に気がついた点は以上になります。
気を付ける点はありますが、慣れれば英語を読んで作業するより理解が早そうだと感じました。
今回の記事は以上になります。
Oracle APEXのアプリケーション作成の参考になれば幸いです。