2026年3月11日水曜日

APEXアプリケーションのページ生成をMCP Appの簡易バンドラとして利用する

更新:2026年3月12日 - コードはGitHubへ移行

MCP Apps(SEP-1865)はiframe中に描画されるため、外部URLへのアクセスが制限されています。そのため、メソッドresources/readのtextとして読み出すUIリソースは、HTMLにJavaScriptとCSSをバンドルして1つにまとめることが推奨されています。公式ドキュメントではVite(vite-plugin-singlefile)が紹介されていますが、Oracle APEXでは使用できません。

その代わりにAPEXのページ・レンダリングを流用して、JavaScriptとCSSをHTMLにバンドルしてみます。ただし、ESモジュールext-appsをバンドルするのは手間がかかりすぎるため、これだけはresources/readが返す_meta属性に、以下のcsp指定を含めることでJavaScriptの読み込みと実行を許可しています。

{ "ui": { "csp": { "resourceDomains": ["https://cdn.jsdelivr.net"] }}}

以下よりAPEXのページ・レンダリングの流用手順について説明します。

今回の作業に使用するAPEXアプリケーションとしてsampleserverが作成済みと仮定します。

MCP App向けのHTMLの生成に使用するページ・テンプレートを作成します。

共有コンポーネントを開きます。


ユーザー・インターフェーステンプレートを開きます。


タイプページテンプレートのうち、装飾の最も少ないMinimal (No Navigation)コピーし、MCP App向けに改修します。


新規テンプレート名MCP2新規テンプレート識別子MCP2とします。(今回の記事を書くにあたって、すでにMCPを使っているためMCP2にしています)

コピーをクリックします。


テンプレートMCP2が作成されました。これを編集するために開きます。


ページ・テンプレートの定義ヘッダー本体フッターを以下に置き換えます。HTMLのレンダリング先はブラウザではなく、単にリージョンに配置したHTMLとページに定義したJavaScriptとCSSが、ひとつのページのHTMLとして出力されればよいだけです。そのため、使用しない定義はすべて削除します。



置換文字列の&BROWSER_LANGUAGE.アプリケーション定義グローバリゼーションの、アプリケーションのプライマリ言語として設定した言語に置き換えられます。


置換文字列#TITLE#は、ページ・プロパティのタイトルで置き換えられます。


置換文字列#PAGE_CSS#は、ページ・プロパティのCSSインラインで置き換えられます。


置換文字列#HEAD#は、ページ・プロパティのHTMLヘッダーで置き換えられます。


置換文字列#BODY#は、Bodyに配置したコンテンツで置き換えられます。APEXのコンポーネントはChatGPTやClaude Desktopでは扱えないため、配置できるのは静的コンテンツのリージョンに限られます。


置換文字列#PAGE_JAVASCRIPT#は、ページ・プロパティのJavaScriptファンクションおよびグローバル変数の宣言に置き換えられます。


以上の設定が、生成されるHTMLのページに埋め込まれる情報です。

APEXのテンプレートによるレイアウトも行わないため、テンプレートのレイアウトについても装飾を除きます。

レイアウトコンテナ・テンプレート#ROWS#行テンプレート#COLUMNS#列テンプレート#CONTENT#に変更します。


MCP App向けのテンプレートは以上でとりあえず完成です。変更を保存します。

続いて、MCP App用のHTMLを生成するページを作成します。

ページの作成を開始します。


空白ページを選択します。


ページの名前get-current-user-appとします。ページ・モード標準ナビゲーションは使用できないので両方ともオフにします。

ページの作成をクリックします。


空白のページが作成されます。

外観ページ・テンプレートとして、先ほど作成したページ・テンプレートMCP2を設定します。

ページ・プロパティの別名は、HTMLの生成時に引数として使用します。


MCP Appで使用するHTMLは、外部よりHTTPのGETメソッドでページを呼び出して生成します。そのため、ページ・プロパティのセキュリティ認証パブリック・ページに変更し、認証せずにページにアクセスできるようにします。


記事「MCP AppをOracle DatabaseとOracle REST Data Servicesで実装する」で作成したMCP App - Get Current Userと同等のUIリソースを作成します。

JavaScriptファンクションおよびグローバル変数の宣言に以下を記述します。


CSSインラインに以下を記述します。



MCP Appに表示するHTMLを記述する静的コンテンツのリージョンを作成します。識別名前Contentとします。

外観テンプレートなしを選択し、ソースHTMLが修飾無しでBodyに記載されるようにします。

ソースHTMLに以下を記述します。


以上でとりあえずページは完成です。

ページを実行すると生成されるHTMLを確認できます。


JavaScriptは動きません。HTMLとCSSの効果と生成されたHTMLに限り確認できます。


apex_web_service.make_rest_requestでこのページを呼び出し、取得したHTMLで表OJ_MCP_APP_RESOURCEの列TEXTをアップデートします。

この作業を行なうプロシージャUPDATE_APP_TEXT_FROM_APEX_PAGEをパッケージOJ_MCP_APP_UTILSに追加しています。処理内容は以下になります。

JavaScriptではext-appsをESモジュールとして扱います。APEXのページ・プロセスはページ・プロパティのJavaScriptファンクションおよびグローバル変数の宣言に記載されたコードを単に<script>...</script>で埋め込みます。これだとESモジュールを扱えないため、APEXのページ・プロセスが生成したHTMLに含まれるscriptタグにtype="module"を追加しています。

あとはこのプロシージャを実行し、MCP AppのUIとなるリソースを登録します。

APEXのページを呼び出せるURLを引数p_page_urlに与えます。
begin
oj_mcp_app_utils.update_app_text_from_apex_page(
    p_resource_name => 'get_current_user',
    p_resource_uri  => 'ui://get-current-user/mcp-app.html',
    p_page_url => 'http://host.docker.internal:8181/ords/apexdev/sampleserver/get-current-user-app'
);
commit;
end;
/
登録されたUIリソースは、MCP InspectorのResourcesより確認できます。


Appsタブからアプリを実行し、APEXのページとして作成したHTMLでMCP Appを表示できます。


今回の記事は以上になります。

2026年3月6日金曜日

MCP AppをOracle DatabaseとOracle REST Data Servicesで実装する

更新:2026年3月12日 - コードはGitHubへ移行

以下の2つの記事で実装したリモートMCPサーバーのフレームワークを使って、MCP Appを実装します。
作業環境は、UC Local APEX Devで作成した手元のOracle Database FreeおよびORDSのコンテナを使用します。利用方法については、こちらの記事「United CodesのUC Local APEX Devを使ってOracle APEXのローカル開発環境を作成する」で紹介しています。

ローカル環境へは以下のURLでアクセスします。


以下のコマンドを実行してAPEXのワークスペースを作成します。以下の例ではワークスペースをapexdevとして作成しています。

local-26ai.sh create-user apexdev

APEXのワークスペースとしてapexdev、管理者ユーザーapexdev、それとデフォルト・パーシング・スキーマとなるスキーマAPEXDEVが作成されます。Autonomous AI Databaseでワークスペースを作成した場合は、スキーマWKSP_APEXDEVが作成されます。UC Local APEX Devではスキーマ名に接頭辞WKSP_は付きません。

管理者ユーザーのデフォルトのパスワードはWelcome_1です。

mcp-app % local-26ai.sh create-user apexdev

loaded .env file


SQLcl: 金 3月 06 16:36:42 2026のリリース25.4 Production


Copyright (c) 1982, 2026, Oracle.  All rights reserved.


接続先:

Oracle AI Database 26ai Free Release 23.26.1.0.0 - Develop, Learn, and Run for Free

Version 23.26.1.0.0



USER    

_______ 

SYS     


[中略]


Oracle AI Database 26ai Free Release 23.26.1.0.0 - Develop, Learn, and Run for Free

Version 23.26.1.0.0から切断されました

>>>>

saved sqlcl connection

connect with 'sql -name local-26ai-apexdev'

mcp-app % 


作成されたスキーマにUC_AIをLogger付きで導入します。Loggerを個別にスキーマにインストールするためには、CREATE ANY CONTEXT権限が必要です。

FREEPDB1にSYSで接続し、スキーマAPEXDEVに権限を与えます。

sql -name local-26ai-sys
grant create any context to apexdev;
exit;

mcp-app % sql -name local-26ai-sys


SQLcl: 金 3月 06 16:41:57 2026のリリース25.4 Production


Copyright (c) 1982, 2026, Oracle.  All rights reserved.


接続先:

Oracle AI Database 26ai Free Release 23.26.1.0.0 - Develop, Learn, and Run for Free

Version 23.26.1.0.0


SQL> grant create any context to apexdev;


Grantが正常に実行されました。


SQL> exit

Oracle AI Database 26ai Free Release 23.26.1.0.0 - Develop, Learn, and Run for Free

Version 23.26.1.0.0から切断されました

mcp-app % 


UC_AIのリポジトリをクローンします。

git clone https://github.com/United-Codes/uc_ai.git

mcp-app % git clone https://github.com/United-Codes/uc_ai.git

Cloning into 'uc_ai'...

remote: Enumerating objects: 2703, done.

remote: Counting objects: 100% (421/421), done.

remote: Compressing objects: 100% (288/288), done.

remote: Total 2703 (delta 177), reused 212 (delta 120), pack-reused 2282 (from 1)

Receiving objects: 100% (2703/2703), 6.26 MiB | 8.64 MiB/s, done.

Resolving deltas: 100% (1770/1770), done.

mcp-app % 


クローンしたリポジトリに移動し、install_with_logger.sqlを実行します。

cd uc_ai
sql -name local-26ai-apexdev @install_with_logger
exit

mcp-app % cd uc_ai

uc_ai % sql -name local-26ai-apexdev @install_with_logger


SQLcl: 金 3月 06 16:48:33 2026のリリース25.4 Production


Copyright (c) 1982, 2026, Oracle.  All rights reserved.


接続先:

Oracle AI Database 26ai Free Release 23.26.1.0.0 - Develop, Learn, and Run for Free

Version 23.26.1.0.0


Installing UC AI with logger

_____________________________________________________________________________

User has all required privileges, installation will continue.

_____________________________________________________________________________




[中略]


Package Body UC_AIがコンパイルされました


Running post-installation scripts...

Logger package detected. Setting USE_LOGGER flag to TRUE.

Successfully compiled uc_ai_logger package with USE_LOGGER flag.



PL/SQLプロシージャが正常に完了しました。


===================================================

UC AI installation complete!

Refer to the documentation for usage instructions: https://www.united-codes.com/products/uc-ai/docs/

===================================================

Installation Complete!

SQL> exit

Oracle AI Database 26ai Free Release 23.26.1.0.0 - Develop, Learn, and Run for Free

Version 23.26.1.0.0から切断されました

uc_ai % 


APEXのワークスペースにサインインし、MCPサーバーがセッション管理に使用するAPEXアプリケーションを作成します。


アプリケーション・ビルダーを開きます。


アプリケーションの作成を開始します。


APEXアプリケーションは存在するだけでよいです。IDの数値はスクリプト実行時に使用するので、覚えておきます。

アプリケーションの作成を実行します。


アプリケーションが作成されます。APEXでの作業は以上で完了です。


リモートMCPサーバーを実装するスクリプトsetup-sample-mcp-server.sqlをダウンロードします。スクリプトの先頭で定義されているAPEX_APP_IDに先ほど作成したAPEXアプリケーションのIDを指定します。ORDS_PATH_PREFIXには、APEXのワークスペースの名前を英子文字で指定します。

以上の変更を行い、スクリプトを実行します。

sql -name local-26ai-apexdev @ setup-sample-mcp-server.sql


mcp-app % sql -name local-26ai-apexdev @ setup-sample-mcp-server.sql


SQLcl: 金 3月 06 17:03:03 2026のリリース25.4 Production


Copyright (c) 1982, 2026, Oracle.  All rights reserved.


接続先:

Oracle AI Database 26ai Free Release 23.26.1.0.0 - Develop, Learn, and Run for Free

Version 23.26.1.0.0



PL/SQLプロシージャが正常に完了しました。



PL/SQLプロシージャが正常に完了しました。



Function GET_SCHEMAがコンパイルされました



Function RUN_SQLがコンパイルされました



Function GET_CURRENT_USERがコンパイルされました



PL/SQLプロシージャが正常に完了しました。



PL/SQLプロシージャが正常に完了しました。



PL/SQLプロシージャが正常に完了しました。



PL/SQLプロシージャが正常に完了しました。



Package MCP_HTTP_SERVER_PKGがコンパイルされました



Package Body MCP_HTTP_SERVER_PKGがコンパイルされました



Package MCP_SAMPLEがコンパイルされました



Package Body MCP_SAMPLEがコンパイルされました



PL/SQLプロシージャが正常に完了しました。



PL/SQLプロシージャが正常に完了しました。



PL/SQLプロシージャが正常に完了しました。


SQL> exit

Oracle AI Database 26ai Free Release 23.26.1.0.0 - Develop, Learn, and Run for Free

Version 23.26.1.0.0から切断されました

mcp-app % 


上記のスクリプトでは、MCP Appとなるツールget_current_userにHTML/JavaScript/CSSのリソースがほとんど記述されていません。

PL/SQLのコードを一切変更せずに、ユーザー・インターフェースだけをClaudeに書いてもらうために、リソースの部分だけを別ファイルにしています。Claudeが生成したコードは以下です。1行だけcallServerToolの引数を古い仕様で認識していてコードの修正が明後日の方向に進んだので、手動で修正しました。

sql -name local-26ai-apexdev @ update-ui-get-current-user.sql


mcp-app % sql -name local-26ai-apexdev @ update-ui-get-current-user.sql 


SQLcl: 金 3月 06 17:12:15 2026のリリース25.4 Production


Copyright (c) 1982, 2026, Oracle.  All rights reserved.


接続先:

Oracle AI Database 26ai Free Release 23.26.1.0.0 - Develop, Learn, and Run for Free

Version 23.26.1.0.0



PL/SQLプロシージャが正常に完了しました。


Oracle AI Database 26ai Free Release 23.26.1.0.0 - Develop, Learn, and Run for Free

Version 23.26.1.0.0から切断されました

mcp-app % 


今回はOpenID Connectによるユーザー認証は不要なので、ORDSのRESTサービスの保護を解除します。

sql -name local-26ai-apexdev @ unprotect-sampleserver.sql

mcp-app % sql -name local-26ai-apexdev @ unprotect-sampleserver.sql


SQLcl: 金 3月 06 17:17:33 2026のリリース25.4 Production


Copyright (c) 1982, 2026, Oracle.  All rights reserved.


接続先:

Oracle AI Database 26ai Free Release 23.26.1.0.0 - Develop, Learn, and Run for Free

Version 23.26.1.0.0



PL/SQLプロシージャが正常に完了しました。


Oracle AI Database 26ai Free Release 23.26.1.0.0 - Develop, Learn, and Run for Free

Version 23.26.1.0.0から切断されました

mcp-app % 


以上で実装作業は完了です。

MCP Inspectorを実行します。

npx @modelcontextprotocol/inspector

Transport TypeStreamable HTTPURLに以下を指定します。

http://localhost:8181/ords/apexdev/sampleserver/mcp

Connect を実行します。


Appsタブを開きます。


MCP Appsとしてリソースが定義されているツールget_current_userがリストされます。

get_current_userをクリックすると、ユーザー・インターフェースが表示されます。


ユーザー・インターフェースにあるボタンGet Current Userをクリックします。


ツールget_current_userが呼び出され、ユーザー名として(ユーザー認証を実装していないため)スキーマ名APEXDEVが表示されます。


Autonomous AI Databaseを対象にして上記のスクリプトを実行して、OpenAI ChatGPTにアプリとして登録すると、以下の様にChatGPTにアプリが埋め込まれて操作することができました。


Claudeでカスタムコネクタとして登録しても、アプリを埋め込めなかったです。

まだ、クライアントによる差異はあるようです。

今回の記事は以上になります。