2022年7月1日金曜日

複数のページを呼び出した後にデータを更新する

 複数のページを呼び出して最後のデータを更新するといった要件は、どのように実装すればよいのかという相談がありました。

以下のような動作をするアプリケーションを作ってみます。


3つのページで実装されています。

最初に開いたページで値を変更します。に進んで、確認ONにします。確認をONにしてに進むと、変更した値が次のフォームに反映されます。OFFのときは元の値がフォームに反映されます。最後に変更を確定する画面が開き、送信すると値が変更されます。

以下より作成方法を記述します。サンプル・データセットEMP/DEPTに含まれる表EMPを、テスト用のデータとして使用します。

アプリケーション作成ウィザードを起動します。

名前複数ステップ更新とし、あらかじめ作成されているホーム・ページ削除します。


ページの追加をクリックし、対話モード・レポートのページを追加します。

ページ名従業員一覧表またはビューとしてEMPを選択します。値の編集は行うため、フォームを含めるチェックします。

ページの追加を実行します。


元のページでアプリケーションの作成を実行します。

アプリケーションが作成されます。最初にページ番号2の編集フォームのページEmployeeを開き、コピーを作成します。


作成メニューを開き、コピーとしてのページを実行します。


次のコピーとしてのページを作成として、このアプリケーションのページを選択します。

へ進みます。


コピー元ページ2.Employee新規ページ番号を指定します。(後ほどページ番号3として、確認を行うページを作成します。)新規ページ名確定とします。

へ進みます。


ダイアログなのでナビゲーション・メニューは不要です。ナビゲーションのプリファレンスこのページとナビゲーション・メニュー・エントリを関連付けないから変更しません。

へ進みます。


コピーする際に元のラベルなどは変更せず、同じ値を使います。

コピーを実行します。


ページのコピーが作成されます。


ページ2とページ4の間で、確認を実行するページを作成します。

作成メニューのページを実行します。


空白ページを選択します。


 ページ番号名前確認とします。ページ・モードとしてモーダル・ダイアログを選択します。オプションの静的コンテンツ・リージョンリージョン1確認を入力し、あらかじめリージョンをひとつ作成します。

へ進みます。


ナビゲーションのプリファレンスこのページとナビゲーション・メニュー・エントリを関連付けないから変更しません。

へ進みます。


終了をクリックし、ページを作成します。


確認のページが作成されました。


これから、ページ番号2、3、4と順番に画面が遷移する実装を行います。

ページ番号2から変更していきます。ページ・デザイナにてページ番号2を開きます。

最初にページ・プロパティダイアログチェーンONに変更します。チェーンをONにすると、次に遷移するページがモーダル・ダイアログの場合、ダイアログの上に重ねてダイアログが表示される代わりに、今開いているダイアログが置き換えられます。


ボタンDELETECREATEは削除します。


ページ・アイテムをすべて選択し、ソースセッション・ステートの保持をリクエストごと(メモリーのみ)からセッションごと(ディスク)に変更します。このようにすることで、サーバーに送信されたページ・アイテムはデータベースに保存され、アプリケーション内の別のページから参照できるようになります。

ページ・アイテムは、それが配置されているページ内からの参照に留める方が、デバッグが容易なアプリケーションになります。セッション・ステートの保持セッションごと(ディスク)とするのは、今回のように遷移先のページが固定されていたり、ページ・アイテムを参照するページが決まっている(今回の例ではデータを確定するページ番号4のみ)ときに限定した方が良いでしょう。


プロセス・ビューを開き、プロセス・フォームEmployeeダイアログを閉じる削除します。このページでは、データの操作は行いません。

送信されたフォームのデータは、自動的にセッション・ステートに保存されます。プロセスは不要です。


新たにブランチを作成し、ページ番号3へ移動します。

動作タイプとしてページまたはURL(リダイレクト)を選択し、ターゲットページ3を選択します。このページのページ・アイテムの値はセッション・ステートに保存されているので、パラメータとして渡す必要はありません。

サーバー側の条件として、ボタン押下時SAVEを選択します。


ページ・デザイナで、ページ番号の確認のページを開きます。

ページ・アイテムを作成します。この値がYのとき、前のページで変更した値を最後のフォームで使用します。

識別名前P3_CONFIRMとします。タイプとして切替えを選択します。ラベル確認とします。ソースセッション・ステートの保持セッションごと(ディスク)を選択します。


次のページへ遷移するためのボタンを作成します。

識別ボタン名B_NEXTラベルとします。動作アクションページの送信です。


先ほどと同様にプロセス・ビューを開いて、次のページへの遷移を行うブランチを作成します。

動作ターゲットページ4サーバー側の条件ボタン押下時B_NEXTを選択します。


ページ・プロパティのチェーンONであることを確認します。


ページ・デザイナにて、最後にデータを確定するページ番号を開きます。

最初に主キーP4_EMPNOに、ページ番号2のP2_EMPNOの値を設定します。

プロセスを作成し、初期化フォームEmployeeの前に配置します。

識別名前主キーの設定ソースPL/SQLコードとして以下を記述します。

:P4_EMPNO := :P2_EMPNO;


最初のフォームで指定した値を、このページに移入します。

プロセスを作成します。識別名前変更された値を適用とします。タイプとしてコードを実行を選択します。ソースPL/SQLコードとして以下を記述します。

:P4_ENAME := :P2_ENAME;
:P4_JOB   := :P2_JOB;
:P4_MGR   := :P2_MGR;
:P4_HIREDATE := :P2_HIREDATE;
:P4_SAL := :P2_SAL;
:P4_COMM := :P2_COMM;
:P4_DEPTNO := :P2_DEPTNO;

サーバー側の条件タイプとしてアイテム = 値を選択し、アイテムP3_CONFIRMYとします。ひとつ前のページの確認ONにしたときに限り、変更した値が移入されます。ページ・アイテムP3_CONFIRMセッション・ステートの保持セッションごと(ディスク)なので、異なるページから値を参照できます。


このページでの値の変更を禁止するため、P4_EMPNO以外のページ・アイテムをすべて選択し、読取り専用タイプ常時に変更します。


ボタンDELETECREATEを削除します。


以上でアプリケーションは完成です。実行すると、記事の最初のGIF動画のように動作します。

今回作成したアプリケーションのエクスポートを以下に置きました。
https://github.com/ujnak/apexapps/blob/master/exports/multi-step-submit.sql

Oracle APEXのアプリケーション作成の参考になれば幸いです。