2023年4月20日木曜日

apex.oracle.comがOracle APEX 23.1のプレリリース版にアップグレードされました

 まだ翻訳されていないため、日本語の環境からapex.oracle.comにアクセスしても、Oracle APEX 23.1の情報が見つかりません。

Oracle APEX 23.1の新機能ガイドのURLは以下になります。

https://apex.oracle.com/en/platform/features/whats-new-231/

新しく追加された機能として、以下があります。

テンプレート・コンポーネント


今までのクラシック・レポートは静的なHTMLをテンプレートとして、サーバー側で完全なHTMLを生成していました。静的なテンプレートの代わりにテンプレート・コンポーネントを導入し、テンプレート・ディレクティブの記述によりクライアント側で完全なHTMLを生成します。

テンプレート・コンポーネントはプラグインという形で、独立してエクスポートできます。一度、テンプレート・ディレクティブで記述したUIを容易に他のアプリケーションに導入できるようです。

クラシック・レポートを置き換えるもので、カード・リージョンについても(少なくても行レイアウトについては)置き換える対象となるでしょう。

Philipp Hartenfellerさんのブログ記事で詳しく紹介されています。

PWAのプッシュ通知


Oracle APEXだけでプッシュ通知ができるようになりました。プッシュ通知を行うプロセス・タイプおよびAPIが提供されているようです。GoogleのFirebaseを使ったりプッシュ通知を転送するサーバーが不要になりました。

以下の記事で紹介している作業は不要になります。
Firebaseを使ってAPEXアプリにプッシュ通知を実装する(1) - Firebaseの設定
Firebaseを使ってAPEXアプリにプッシュ通知を実装する(2) - Node.jsの準備
Firebaseを使ってAPEXアプリにプッシュ通知を実装する(3) - APEXアプリの作成

開発者であるVincent Morneauさんが、この機能についてツイートしています。



オブジェクト・ブラウザの刷新


表やビューを選択リストで選んで一覧する形式から、ツリーで表示するように変わりました。全体的に使いやすくなりました。


ページ・プロセスの拡張


プロセスをバックグラウンドで実行できるようになりました。時間がかかる処理を、DBMS_SCHEDULERを呼び出して、自力でジョブとしてスケジュールする必要がなくなりました。またバックグラウンドの処理の進捗を確認するためのAPIも提供されているようです。

以下の記事で紹介している作業の一部は不要になるでしょう。
APEX_DATA_LOADINGを使ってデータをロードする


RESTデータ・ソースの拡張


APEX 22.2で実装されたAPI呼び出しが、ローカルのプロシージャやファンクション以外にREST APIも呼び出せるように拡張されました。

また、REST APIの検出に呼び出し時のレスポンスだけではなく、Swagger/OpenAPIも使えるようになったとのことです。

大項目以外の新機能で気になったもの


Application Continuity - ページ・アイテムへの値の代入時にトランザクションがコミットされる(こちらの記事で解説)動作を制御可能にした模様です。ページ処理の終了時にコミットすることで、それまでに例外が発生した場合、全体がロールバックされます。いわゆる冪等性(idempotency)の確保を容易にしています。

Export and Import in Theme Roller - テーマ・ローラーからテーマのエクスポートとインポートができるようになった、とのことです。

Adopted TinyMCE - リッチ・テキスト・エディタのコンポーネントとして今まではCKEditorを使用していました。これがTinyMCEに置き換わりました。

以前に書いたCKEditorに関係する記事は無効になります。
CKEditor5でのリンク属性にtarget, relを付加する
CKEditor5による画像アップロードを実装する(1) - 準備
CKEditor5による画像アップロードを実装する(2) - REST APIの作成
CKEditor5による画像アップロードを実装する(3) - 完成
CKEditor5による画像アップロードを実装する(4) - 画像をオブジェクト・ストレージに保存する
CKEditor5による画像アップロードを実装する(5) - 動的コンテンツを使う
CKEditor5のInline editorを使ってみる
CKEditor5のmention機能を実装してみる
リッチ・テキスト・エディタでHTMLを読み込むだけで元のHTMLが変更される

2023年4月20日よりAPEX Office HoursでAPEX 23.1関連のセッションが始まります。

Part 1: What's new in Oracle APEX 23.1 (日本時間の4/20 23:00)
Part 2: What's new in Oracle APEX 23.1 (日本時間の4/27 23:00)
Part 3: What's new in Oracle APEX 23.1 (日本時間の5/4 23:00)
Part 4: What's new in Oracle APEX 23.1 (日本時間の5/11 23:00)

これらのセッションで新機能について詳しく解説されるでしょう。