2026年6月18日木曜日

サンプル・データセットのEMP/DEPTを元にAPEX Blueprintを作成しBlueprintからAPEXアプリケーションを生成する

オラクル社の公式ブログに、Oracle APEX 26.1の新機能であるBlueprintに関する記事が投稿されています。

Scaffolding Oracle APEX Applications using Blueprints

本ブログもAPEX Blueprintについて、こちらの記事で紹介しています。公式ブログの記事を読んでいて気が付いたのですが、GitHubで公開されているBlueprintsのexamplesにsupply-chain-managementが追加されています。


本ブログの過去記事はorder-entryを扱っていました。オラクルの公式ブログの記事はsupply-chain-managementを扱っています。order-entryとsupply-chain-managementはfunctional requirementsは異なりますが、両方ともにBlueprintを出力するために、prompt以下のblueprint-prompt.mdおよびapex-fa-icons-allowlist.txtを参照しています。

つまり、prompt以下のファイルを使って、order-entryやsupply-chain-managementではない、自分で定義した機能要件定義書に基づいたAPEX Blueprintが生成できるはずです。

サンプル・データセットのEMP/DEPTを元に、従業員を管理するAPEXアプリケーションのBlueprintを作成し、それを元にAPEXアプリケーションを作ってみます。Blueprintの生成にOpenAI Codex(デスクトップ・アプリ)を使用します。

作業環境としてMacbook Proのコンテナ環境で実行しているOracle AI Database 26ai FreeとOracle APEX 26.1.1を使用します。

サンプル・データセットのEMP/DEPTをインストールしたのち、記事「APEX 26.1に含まれるパッケージAPEX_DB_DICTIONARYを使って表の説明を生成する」で紹介した、表にコメントやアノテーションを追加するスクリプトを実行しておきます。

作業ディレクトリとしてblueprint-emp-deptを作成します。

mkdir blueprint-emp-dept
cd blueprint-emp-dept

% mkdir blueprint-emp-dept 

% cd blueprint-emp-dept

blueprint-emp-dept % 


Gitで管理しませんが、Codexが認識するためgit initを実行しておきます。

git init

blueprint-emp-dept % git init

Initialized empty Git repository in /Users/______/Documents/blueprint-emp-dept/.git/

blueprint-emp-dept % 


Blueprintの生成には不要だと思いますが、念のためにAPEXlangのスキルとSQLcl MCPサーバーを構成します。Microsoft APMを使用します。

ファイルapm.ymlを作成します。
name: emp-dept
version: 0.1.0
description: Oracle APEX 26.1のAPEXlangを使ってアプリケーションを作成する。
author: Yuji
dependencies:
  apm:
    # Oracle Database Skills
    - git: https://github.com/oracle/skills
      path: db
      ref: main
    # Oracle APEXlang Skills
    - git: https://github.com/oracle/skills
      path: apex
      ref: main
  mcp:
    - name: oracle-apexdev
      registry: false
      transport: stdio
      command: /opt/homebrew/Caskroom/sqlcl/26.1.2.132.1334/sqlcl/bin/sql
      args:
        - -R
        - "4"
        - -mcp
Codex向けにスキルとMCPサーバーをインストールします。Claude Codeで作業を行なう方は、targetの指定はclaudeになります。

apm install --target codex

blueprint-emp-dept % apm install --target codex

[>] Installing dependencies from apm.yml...

[>] Resolving skills-db...

[>] Resolving skills-apex...

[i] Targets: codex  (source: --target flag)

  [+] github.com/oracle/skills/apex#main #main @b31c5175

  |-- Skill integrated -> .agents/skills/

  [+] github.com/oracle/skills/db#main #main @b31c5175

  |-- Skill integrated -> .agents/skills/

[i] Added apm_modules/ to .gitignore

+- MCP Servers (1)

[i] Skipped MCP config for claude  (active targets: codex)

|  [>]  oracle-apexdev (self-defined, stdio)

|     +- Configuring for Codex...

[*] Configured MCP server 'oracle-apexdev' for Codex CLI

  + oracle-apexdev

|  [+]  oracle-apexdev -> Codex (configured)

[*] Configured 1 server


[*] Installed 2 APM dependencies and 1 MCP server in 2.3s.

blueprint-emp-dept % 


GitHubよりBlueprintを生成するために参照するプロンプトを取得します。


blueprint-prompt.mdapex-fa-icons-allowlist.txtをプロジェクトのディレクトリにコピーします。

blueprint-emp-dept % ls

apex-fa-icons-allowlist.txt apm.lock.yaml blueprint-prompt.md

apm_modules apm.yml

blueprint-emp-dept % 


EMP/DEPTのスキーマ定義をemployees-management-schema.mdとして作成します。

ユーティリティ表の説明を実行します。


説明の対象としEMPDEPTEMP_DEPT_Vを選択し、DESCRIBEを実行します。書式Markdownを選択します。

表に説明が出力されるのでダウンロードをクリックして、ファイルdescribe_tables.mdに出力します。


ダウンロードされたファイルdescribe_tables.mdをプロジェクト・フォルダ以下にemployees-management-schema.mdとして配置します。

blueprint-emp-dept % ls

apex-fa-icons-allowlist.txt apm.lock.yaml blueprint-prompt.md

apm_modules apm.yml employees-management-schema.md

blueprint-emp-dept % 


APEXアプリケーションを作成するために、この他に機能要件定義書が必要です。

詳細な機能要件定義書を一から書くのは大変なので、Codexに書いてもらいました。Codexのデスクトップ・アプリを起動し、プロジェクトとしてフォルダblueprint-emp-deptをアタッチします。

以下のプロンプトで機能要件定義書を生成します。

「従業員マネージメント・アプリケーションのブループリントを作りたい。

Oracle Databaseにemployees-management-schema.mdに記述されているスキーマが定義されていることを前提として、表EMPに登録されている従業員の一覧を表示するレポートのページと、レポート上に一覧されている従業員を選択し、所属(所属は表DEPTを参照する)、給与、手当を更新できるフォームを開く。

また、新規に従業員の登録と、既存の従業員の削除も可能とする。

これらの要件を機能要件定義書として、Markdown形式のファイルとして生成してください。

生成するファイルの名前はemployees-management-functional-requirements.mdとします。」


生成された機能要件定義書はこちらです。

この機能要件定義書からBlueprintを生成します。以下のプロンプトを与えます。

「blueprint-prompt.mdおよびapex-fa-icons-allowlist.txtより、Oracle APEXのblueprintをemployees-management-blueprint.mdとして生成してください。

以下のファイルの内容だけが、生成するAPEX blueprintの要件定義書になります。

employees-management-functional-requirements.md

employees-management-schema.md

Application Name, Region Name, Column Nameはすべて英語にしてください。

マークダウンの##、###、####に続くアプリケーション、ページ、リージョンなどの名前は、すべて英語にしてください。」

生成されるBlueprintのアプリケーション、ページおよびリージョンの名前に日本語が含まれていると、Blueprintから生成されたAPEXlangに日本語の識別子が含まれることになり、インポート時にエラーが発生します。そのため、プロンプトの末尾で英語にするよう指示しています。

blueprint-prompt.mdなどに追加するか、個別のスキルとして登録すると、毎回同じ指示をする必要は無くなるでしょう。


employees-management-blueprint.mdが出力されました。

APEXワークスペースに、ファイル・タイプとしてアプリケーション・ブループリントを選択してインポートします。


生成されたBlueprintに問題がなければ、アプリケーションのインポートに成功します。


アプリケーションを実行し、作成されたアプリケーションを確認します。

ページ1に対話モード・レポートが作成されていました。


従業員のフォームも開きます。


対話モード・レポートの列ラベルやフォームのアイテム・ラベルが英語になっています。これは、Blueprintを生成する際に「英語で」と指定したのが拡大解釈されたもようです。

以下のプロンプトを与えて、Blueprintを更新します。

「Description、Comments、Label、Titleとなる文字列は、スキーマ定義から参照できる日本語文字列にしてください。」


生成されたBlueprintをAPEXワークスペースにインポートし直し、アプリケーションを実行します。

出力されたemployees-management-blueprint.mdです。

ページ1の対話モード・レポートの列ラベルは日本語になりました。


フォームのアイテム・ラベルについても、日本語になりました。


概ね、従業員の作成、更新、削除は実装されているようです。

Blueprintから生成されたAPEXアプリケーションのエクスポートを以下に置きました。


今回の記事は以上になります。

Oracle APEXのアプリケーション作成の参考になれば幸いです。