Oracle APEX 20.1はapex.oracle.comにて、すでに利用可能になっており、それを元に20.1の新機能の紹介をこちらの記事に書いています。提供される機能は基本的に同じなのですが、1つだけ、ダウンロード版ならではの新機能があります。大変便利なその機能を以下に紹介します。
アプリケーションのバックアップの管理
アプリケーションのバックアップを管理する機能が追加されました。日次でアプリケーションの更新がチェックされ、最終のバックアップから更新があるアプリケーションはバックアップが取得されます。また、手動でバックアップを取得することも可能です。自動バックアップについては、Oracle APEXの管理サービスにログインして構成します。
管理サービスのインスタンスの管理から機能構成を開きます。アプリケーション開発のセクションに含まれるアプリケーション当たりのバックアップ数を設定します。設定可能な値は0から30までで、0もしくは空欄(null)にすると自動バックアップは行われません。設定値を超える古いバックアップは、日次のメンテナンス処理によって削除されます。初期値として25が設定されているため、デフォルトで自動バックアップの機能は有効になっています。
手動でのバックアップの取得および取得されたバックアップの操作は、それぞれのアプリケーションのユーティリティからバックアップの管理を呼び出すか、
アプリケーション・ビルダーのワークスペース・ユーティリティに含まれるバックアップの管理を呼び出します。
ワークスペース・ユーティリティのバックアップの管理を呼び出したときは、アプリケーション名の一覧が表示されます。ここでアプリケーション名をクリックすると、アプリケーションのユーティリティから呼び出されるバックアップの管理に遷移します。
アプリケーションのバッックアップの管理を開くと、取得済みのバックアップが一覧されます。
バックアップの作成をクリックすると、コメントの入力を求められます。バックアップをクリックするとバックアップが取得されます。
最終のバックアップから変更がない場合は、以下のように変更がないと通知され、バックアップは取得されません。
取得されたバックアップはサマリーの変更(変更のサマリーが正しい日本語でしょう)として、直前のバックアップからの更新内容のサマリーが表示されます。そして、それぞれのバックアップを対象として、リストア、ダウンロード、詳細の表示、ロックの管理、削除の操作を行うことができます。
リストアを実行すると以下の画面が開きます。アプリケーションのインポートと同様の選択肢が示され、既存のアプリケーションを上書きするか、新規のアプリケーションとしてリストアすることができます。
ダウンロードを実行すると、アプリケーションのエクスポートと同様にファイルがダウンロードされます。アプリケーションのエクスポートとは異なり、単一のSQLファイルがZIPで固められています。20.1のアプリケーション・エクスポートは、ZIPとしてエクスポートされるときはコンポーネント毎のSQLファイルに分割した上でZIPで固められます。単一のファイルとしてエクスポートされるときはSQLファイルの形式です。
詳細の表示を実行すると、直前のバックアップからの差分情報が表示されます。
ロックの管理にてバックアップをロックすることで、日次処理による削除対象から除くことができます。
削除の実行で、バックアップを手動で削除することができます。バックアップの削除の実施には注意が必要です。時間にそって、A,B,Cとバックアップを取得していて中間のバックアップBを削除すると、残りのバックアップはA,Cになります。バックアップCの差分情報はBとCの間にあった変更です。バックアップBが削除されても、差分情報はそのままBとCの差分を表示し、AとCの差分には置き換えられないようです。バックアップ自体は差分ではないので、バックアップBを削除してもバックアップCのリストアは問題なく実施可能です。つまりバックアップが削除されていると、サマリーの更新の情報はすべての差分を表していない場合があります。
アプリケーションごとのバックアップの画面、右下にリソース・セクションがあり、すべてのバックアップとすべてのバックアップの詳細へのリンクがあります。すべてのバックアップをクリックすると、ワークスペース・ユーティリティのバックアップの管理へ遷移します。すべてのバックアップの詳細をクリックすると、バックアップを選んで指定する詳細の表示の情報を、すべてのバックアップを対象として表示されます。
今まではアプリケーション・ギャラリに含まれているAPEXアプリケーション・アーカイブをバックアップの管理に使用することができました。このアプリケーションは20.1でも継続して使用することができます。とはいえ、標準機能の利用に移行することをお勧めします。
完