2023年5月9日火曜日

フォアグラウンドの実行チェーンによるプロセスの整理

 Oracle APEX 23.1よりプロセス・タイプとして実行チェーンが追加されました。主にプロセスをバックグラウンドで実行するための機能ですが、フォアグラウンドの実行も可能です。

フォアグラウンドで実行する場合、設定バックグラウンドで実行オフに設定します。


フォアグラウンドの実行チェーンのユースケースには何があるのだろうと思っていましたが、最近、Oracle APEXの開発部門に所属しているSteve Meunchさんが書いた記事を読んで、なるほどと思いました。

Steve Meunchさんの記事は以下になります。


この記事は2023年4月にクロアチアのザグレブで開催されたAPEX Alpe Adrea 2023のセッションを元にしています。一番最後のセクションDownloading My Slidesに、セッションで使用されたスライドのPDFのリンクがあります。


APEX 23.1に実装されたプッシュ通知と実行チェーンが紹介されています。全146ページで、これらの機能を詳細に説明しています。これらの機能の詳細に興味がある方には、一読をお勧めします。

本記事では、実行チェーンのちょっと便利な使い方の説明になります。

例えば、ページに3つのボタンINSERTUPDATEDELETEが作成されているとします。


APEX 23.1以前では、ボタンを押した時に実行されるプロセスは、サーバー側の条件で制御する必要がありました。

5つのプロセスが作成されていて、そのうちの3つがボタンINSERTを押した時に実行されるとします。これは、それぞれのプロセスのサーバー側の条件ボタン押下時INSERTを設定します。


その以外に、ボタンUPDATEを押した時に実行されるプロセスを設定します。


ボタンDELETEを押した時に実行されるプロセスも設定します。


プロセスが実行される条件を見分けるためには、ひとつひとつのプロセスを選択し、サーバー側の条件を確認する必要があります。

実行される条件がわかりやすい名前をつけた実行チェーンを作成し、その実行チェーンサーバー側の条件を設定することにより、ページ・プロセスを整理することができます。


実行チェーンに含まれるプロセスには、サーバー側の条件を設定する必要はありません。


ページに作成するプロセスの数が2桁に達することも稀ではないので、実行チェーンを使ってプロセスの実行条件が一目で分かるようにできると、とても便利です。

以上になります。

Oracle APEXのアプリケーション作成の参考になれば幸いです。