標準的なOracle APEXアプリケーションでは、画面左にナビゲーション・メニューが表示されます。このナビゲーション・メニューは、SSELECT文の検索結果より動的に生成することができます。
以下は実装例です。サンプル・データセットのEMP/DEPTに含まれる表EMPとDEPTから、ナビゲーション・メニューを生成しています。
ユーザー・インターフェースのナビゲーション・メニューとして、共有コンポーネントのリストを選択します。以下では、動的ナビゲーションをナビゲーション・メニュー・リストとして設定しています。
リストである動的ナビゲーションのSELECT文は以下になります。動的リストに関するマニュアルの説明は、こちらになります。
以下より、実行例になっているアプリケーションの作成手順を紹介します。
サンプル・データセットのEMP/DEPTがインストール済みで、表EMP、DEPTおよびビューEMP_DEPT_Vが利用可能になっているのが前提条件です。
アプリケーション作成ウィザードを起動します。アプリケーションの名前は動的ナビゲーション・メニューとします。
ホームの編集を開いて、ホーム・ページを削除します。
クラシック・レポートのページを追加します。
ページの追加をクリックします。
追加ページを開いて、クラシック・レポートを選択します。
ページ名は従業員一覧、表またはビューとしてEMP_DEPT_Vを選択します。レポートだけで編集はしないため、フォームを含めるはチェックしません。
ページの追加を実行します。
ページ従業員一覧だけを含むアプリケーションを作成します。
アプリケーションの作成を実行します。
アプリケーションが作成されます。
ナビゲーション・メニューは、アプリケーション全体で使用されます。そのため、検索条件には(ページ・アイテムではなく)アプリケーション・アイテムを使用します。
共有コンポーネントのアプリケーション・アイテムを開きます。
作成済みのアプリケーション・アイテムが一覧されます。作成をクリックします。
作成するアプリケーション・アイテムの名前をG_DNAMEとします。有効範囲はアプリケーション、セキュリティのセッション・ステート保護として、チェックサムが必要 - セッション・レベルを選択します。
ナビゲーション・メニューのリンクにアプリケーション・アイテムG_DNAMEに設定する値を含めます。そのため、セッション・ステート保護を制限付き - ブラウザから設定不可とすると、値が設定できません。
以上で、アプリケーション・アイテムの作成を実行します。
同様の手順にて、アプリケーション・アイテムG_JOBを作成します。
2つのアプリケーション・アイテムG_DNAMEとG_JOBが作成されます。
ホーム・ページを開き、クラシック・レポートの検索条件に使用するページ・アイテムP1_DNAMEおよびP1_JOBを作成します。双方とも、アプリケーション・アイテムをソースとします。
クラシック・レポートのリージョンに、ページ・アイテムを作成します。
識別の名前をP1_DNAME、タイプは非表示とします。ソースのタイプにアイテムを選択し、アイテムとしてG_DNAMEを指定します。セッション・ステートの保持にリクエストごと(メモリーのみ)を選択します。
同様の手順でページ・アイテムP1_JOBを作成します。ソースとなるアプリケーション・アイテムはG_JOBです。
クラシック・レポートに、上記の2つのページ・アイテムを使用した検索条件を設定します。ソースのWHERE句に以下を記述します。
(
:P1_DNAME is null
or
:P1_DNAME = dname
)
and
(
:P1_JOB is null
or
:P1_JOB = job
)
最後にナビゲーション・メニューとなるリストを作成します。
共有コンポーネントのリストを開きます。
作成済みのリストが一覧されます。作成をクリックします。
リストの作成は最初からのままにします。次へ進みます。
次へ進みます。
問合せソース・タイプとしてSQL問合せを選択し、SQL問合せに前出のSQLを記述します。
次へ進みます。
作成するリストはナビゲーションに使います。そのため、リスト・リージョンを作成しますか。として、リスト・リージョンを作成しないを選択します。
作成をクリックします。
リストとして動的ナビゲーションが作成されます。
変更の適用をクリックします。
以上でアプリケーションは完成です。
アプリケーションを実行すると、記事の先頭のGIF動画のように動作します。
今回作成したAPEXアプリケーションのエクスポートを以下に置きました。
https://github.com/ujnak/apexapps/blob/master/exports/dynamic-navigation-menu.sql
Oracle APEXのアプリケーション作成の参考になれば幸いです。
完