2023年7月5日水曜日

TinyMCEでのイメージ・アップロード

 Oracle APEX 23.1よりリッチ・テキスト・エディタの実装がCKEditorからTinyMCEに置き換えられました。今のところCKEditorも使用できますが、TinyMCEへ移行した方が良いことは間違いありません。

CKEditorをカスタマイズせずに使用している範囲であれば、設定ライブラリCKEditorからTinyMCEに問題なく切り替えられるはずです。プラグインを使用してカスタマイズしている場合は、TinyMCEに同等のカスタマイズを行う必要があります。

CKEditorのイメージ・アップロードについては、以下の記事を書いています。

CKEditor5による画像アップロードを実装する(1) - 準備
CKEditor5による画像アップロードを実装する(2) - REST APIの作成
CKEditor5による画像アップロードを実装する(3) - 完成
CKEditor5による画像アップロードを実装する(4) - 画像をオブジェクト・ストレージに保存する
CKEditor5による画像アップロードを実装する(5) - 動的コンテンツを使う

TinyMCEを使用するにあたって、上記の実装の変更点について記述します。

CKEditorのイメージ・アップロードと同様に、Louis Moreauxさんのブログ記事 -
Oracle APEX 23.1 - TinyMCE and image upload - を参考にしています。


APEXアプリケーションの変更



ページ番号2のフォームのページを変更します。

ページ・プロパティJavaScriptファンクションおよびグローバル変数の宣言で、images_upload_handlerを定義します。

images_upload_handlerについては、TinyMCE DocumentationのImage Uploads - images_upload_handlerで説明されています。



マニュアルに記載されているimages_upload_handlerの例に、APEXセッションで認証するためのコードを数行追加しています。また、TinyMCEのimages_upload_handlerの例では、画像アップロードのレスポンスが{ location: "画像のURL" }という形式で返されることが想定されていますが、今回の実装では{ url: "画像のURL" }なので、その点も修正しています。

TinyMCEのimageプラグインを有効にし、images_upload_handlerを設定します。

ページ・アイテムP2_CONTENT設定ライブラリTinyMCEに変更し、詳細初期化JavaScriptファンクションに以下を記述します。


ここで、urlconverter_callbackとして定義したファンクションで、列CONTENTに含まれるイメージURLに、APEXセッションで認証する引数_apex_sessionを追加しています。

CKEditorとは異なり、urlconverter_callbackによるイメージURLの置き換えは、ページ・アイテムP2_CONTENTが保持しているデータを置き換えます。そのまま、作成変更の適用を実行すると、イメージURLに?_apex_session=....の認証子が付加されてデータベースに保存されます。

ワークアラウンドとして、データを保存する前に?_apex_session=...の認証子をP2_CONTENTの内容から取り除くプロセスを作成します。

作成したプロセスはプロセスプロセス・フォームDocumentの上に配置し、先に実行されるようにします。

識別名前apex_sessionの削除タイプコードを実行ソースPL/SQLコードとして以下を記述します。

サーバー側の条件タイプリクエストは値に含まれるを選び、CREATE,SAVEを設定します。


CKEditorが必要としていた、ページ・ロード時の動的アクションP2_CONTENTの再ロードは、TinyMCEでは不要なので削除します。


以上でTinyMCEへの変更は完了です。アプリケーションはCKEditorのときと同様に動作します。

TinyMCEに変更したアプリケーションのエクスポートを以下に置きました。
https://github.com/ujnak/apexapps/blob/master/exports/tinymce-image-sample.zip


オブジェクト・ストレージを使うアプリの変更



オブジェクト・ストレージを使うAPEXアプリは、?_apex_session=の認証子をイメージURLに追加する代わりに、オブジェクト・ストレージの事前承認リクエストに置き換えるように変更します。

ページ番号2のページ・プロパティJavaScriptファンクションおよびグローバル変数の宣言の記述は以下になります。

TinyMCEの初期化JavaScriptファンクションの記述は以下になります。

ページ・アイテムP2_CONTENTを保存する前に、事前承認リクエストを取り除くプロセスのPL/SQLコードは以下になります。名前事前承認URLの削除とします。



ページ・ロード時の動的アクションP2_CONTENTの再ロードを削除すると、TinyMCEの対応は完了です。

アプリケーションのエクスポートは以下に置きました。
https://github.com/ujnak/apexapps/blob/master/exports/tinymce-image-sample-obs.zip

こちらの記事で紹介している動的コンテンツの追加手順に変更はありません。

動的コンテンツのページを追加したアプリケーションのエクスポートを以下に置きました。
https://github.com/ujnak/apexapps/blob/master/exports/tinymce-image-sample-dyn.zip

以上になります。

Oracle APEXのアプリケーション作成の参考になれば幸いです。